人間の健康のためのウイルス監視戦略を再評価する

近年、動物から人間に移動して新しい病気を引き起こすウイルスへの懸念が高まってるよね。このため、特に野生動物のウイルスを調べて、人間に感染して流行を引き起こす可能性のある新しいウイルスを見つけようとする努力が進められてる。COVID-19のパンデミックのおかげで、この問題に対する関心が高まったし、こうしたウイルスを人間に広がる前に見つけて研究する必要があるって議論が起きてる。

動物、特に野生動物におけるウイルスの監視は、将来のパンデミックを防ぐためのグローバルヘルス戦略の重要な部分になってるんだ。でも、これらの監視活動がどれだけ効果的なのか、まだたくさんの疑問が残ってる。例えば、動物ウイルスについての知識は、どれだけ私たちが流行に備えたり対応したりするのに役立ったのか？動物における大規模なウイルス監視の理由は何なんだろう？そして、こうしたウイルスを見つけることによる利益は現実的だったのか？

現在、約250種類のウイルスが人間に感染することが知られていて、新しい感染症の約60%は動物由来だと考えられてる。野生動物はこれらのウイルスの約70%の源だと言われてる。エボラやジカウイルスなどの病気が出てきた例もあるし、推定で動物にまだ知られていないウイルスが60万から10万種あるとも言われてる。

未知のウイルスの多様性からすると、動物のウイルスを人間に感染する前に見つけることで、グローバルな健康準備を向上させる可能性がある。でも、ウイルス発見を目的とした「PREDICT」っていうプロジェクトは2009年から2020年まであったけど、新しい病気が野生動物からどこに出現するかを予測したり、病原体を検出することを目指してた。30カ国以上とのパートナーシップを通じて、未来のパンデミックを防ぐために野生動物のウイルスを見つけることに焦点を当ててたんだ。

とはいえ、動物ウイルス発見から得られた情報を活用して流行の備えを向上させることには限られた成功しか見られない。ほとんどの研究は見つけたウイルスの数や動物の中での広がり、こうした努力にかかるコストが価値あるのかどうかに集中してる。さらに、ウイルス探しに関する批判の中には、そうした作業の安全リスクと、発見したウイルスが本当に人間の健康に重要な利益をもたらすのかどうかが含まれている。

#ウイルス監視と備え

動物におけるウイルス監視が流行への備えにどれだけ貢献しているかを理解するためには、過去に何が起こったのかを見るのが大事だね。例えば、レビューによると、人間に病気を引き起こす知られているウイルスの大多数は、動物ではなく人間で最初に発見されたんだ。250種類のウイルスの中で、流行を引き起こす前に動物で分離されたのは11種類だけ。これらのほとんどは蚊によって感染するんだ。

これらのウイルスの中には、モンキーポックスやジカウイルスなど、初めて発見された後に流行が起きた例もある。でも、こうしたウイルスに関する知識があるからといって準備が良くなるわけじゃない。例えば、流行の前に動物で検出されても、ジカウイルスやリフトバレー熱のワクチンは承認されてないんだ。

全体として、過去の経験は、動物におけるウイルスの知識が未来の流行を防ぐ力に直結しないことを示唆してる。病気はこうした知識が得られた後でも広がることがあるし、最初に見つかった地域を越えて感染が広がることも多いんだ。

#新興感染症

世界保健機関（WHO）のデータを見ると、新興感染症はしばしば知られているウイルスによって引き起こされることがわかるよ。報告によれば、公共の健康緊急事態として宣言された流行の大半は、エボラのようなよく知られたウイルスに関連してる。

例えば、WHOの疾病流行ニュースシステムが始まってから、以前は知られていなかったウイルスが流行を引き起こしたという報告はほとんどない。したがって、重要な流行の多くがすでに研究され、文書化されたウイルスに関連しているようだ。

動物監視がこれらの病気の制御にどのように寄与しているかを調べる中で、最近の流行の多くの起源が動物からの新たなスピルオーバーイベントではないことが明らかになってきた。実際、多くはウイルスの未検出のヒトからヒトへの感染によって発生してる。この認識は、こうした病気を防ぐための現在の理解の限界を浮き彫りにしている。

#医療対策の開発

動物におけるウイルス発見がワクチンのような医療対策（MCM）の開発にどれだけ役立っているかを評価するために、さまざまな組織が作成した優先リストを見てみることができる。2018年以降、いくつかの機関が、流行の脅威に対するワクチンの改善を目指した優先病原体のリストを発表してる。興味深いことに、MCMの開発のために優先された多くのウイルスは2000年以前にすでに知られていたもので、つまり多くの新興病は動物からの新しい発見ではなく、既存の病原体に関連しているってことだ。

実際、最近の動物監視活動がワクチン開発に値する新しいウイルスの特定にあまり貢献してないことが分かる。ワクチンの進展に目を向けると、優先リストにある多くのウイルスは、人間に流行を引き起こす前にずっと前に分離されていたことがわかる。だから、以前知られている病原体の不足が、効果的なワクチン開発の主な障害ではないようだ。

特定のウイルスに対するワクチンの入手可能性のギャップは、流行への対応を妨げ続けている。HIVのような有名なウイルスや、重大な健康問題を引き起こした他のウイルスは、研究が長年行われても、承認されたワクチンがまだない。これは、ワクチン開発の障害がウイルスの特定だけではない、むずかしいものであることを示唆している。

#事例研究：フィロウイルス

動物ウイルスの発見と医療対策の開発との関係についての理解を深めるために、フィロウイルス（エボラやマールブルグウイルスを含む）などの特定のウイルスファミリーを調べるのは良いアプローチだね。過去50年の間に、これらのウイルスの流行が広範な研究と資金提供を引き起こしてきた。でも、このような注目があっても、ワクチンや治療法の開発は流行に追いついてないんだ。

例えば、西アフリカでの2013年から2016年にかけてのエボラの大規模流行では、多くの感染者と死者が出た。でも、数十年の研究があったにもかかわらず、マールブルグウイルス病に対する承認されたワクチンはまだない。そして、流行の後の開発努力が、効果的な対策に結びつくリードを生み出していない。動物の中での特定の宿主や貯蔵庫、例えばコウモリを認識していても、ウイルスの初期発見が応答戦略の実質的な進展につながらないようだ。

#動物監視の役割

データは、動物監視とウイルス探しが人間に影響を与えるウイルス性疾患の備えや対応を強化することに限られた貢献をしていることを示唆している。浮かび上がる疑問は、現在の動物ウイルス監視の戦略が新たな脅威を予測するのに必要かつ十分なのかどうかだ。

動物のウイルスを探して分離する試みは、人間に流行を引き起こす可能性のある実質的なウイルス脅威を特定するのにはあまり効果的ではなかった。出現したウイルスの中で著名なものは、野生動物からの新しいものよりも、知られている人間の病原体に関連していることがほとんどだ。証拠は、多くのウイルスが流行が起こる前から人間の集団の中で循環していたことを示している。

さらに、動物ウイルスを見つけて分離することで、人間の健康に対する脅威を特定できるという仮定は、注意深く検討すると成り立たないことが重要だ。新しいウイルスの探索は、信頼できる予測因子が不足していて、どれが重大なリスクをもたらすかを判断するのが難しい。したがって、動物の発見だけに専念することが、次の流行に対するより良い備えを保証するわけではないんだ。

#代替戦略の必要性

現在のウイルス探しや監視戦略の限界を考えると、代替アプローチを考慮すべきだという主張が高まってきてる。動物で可能な新しいウイルスをすべて見つけようとするのではなく、既に人間に見つかっている病気を監視して対応する能力を向上させる方が、もっと実用的で効果的かもしれない。

既存の病気の監視を強化し、医療インフラを改善することで、将来の流行に備えることができるんだ。それには、野生動物や家畜と接触の多い人間の集団における病気を研究して、そのリスクをより深く理解することが含まれるかもしれない。また、リスクの高い地域で医療システムを強化することも、全体的な公衆衛生を改善し、将来の流行の脅威を減らすことにつながるよ。

#結論

ウイルス探しは、人間にとって重大なウイルス流行を防ぐための信頼できる手段とはなっていない。現在のウイルス監視活動の限られた成功は、動物ウイルスの発見に多くの投資をすることの効果について疑問を提起している。むしろ、人間の既存のウイルス疾患に焦点を当てた方が、公衆衛生の備えにとってより大きな利益をもたらすかもしれない。既知の病気の監視にリソースを再配分し、そうした病原体のワクチン開発を強化し、医療インフラを強化することで、将来の新興感染症に効果的に対応できるように自分たちを整えることができるんだ。